• 2024年5月1日

塗り薬の適切な量、ご存知でしょうか。

皮膚科医は塗り薬を処方します。内容としては保湿剤とステロイドが多いです。

保湿剤やステロイドは軟膏やクリーム、泡など剤型に種類があり、保湿剤ではヘパリン類似物質や尿素など、ステロイドではその強さなどで色々な種類がありますが、飲み薬と違って、塗るのは患者さん(またはご家族など)です。当たり前ですが、塗らないと効きません。

そんな大事な塗り薬ですが、どれくらいの量を皆さん塗っているでしょうか。皮膚科に受診された際、塗る量について教えてもらったことはありますか?

塗り薬を塗る量に、明確なエビデンス(根拠)は実は無いのですが、塗る量の目安にされているものがあります。finger tip unitと呼ばれていますが、

“第 2 指の先端から第 1 関節部まで口径 5 mm のチューブから押し出された量(約 0.5 g)が

英国成人の手掌で 2 枚分すなわち成人の体表面積のおよそ 2% に対する適量である”

つまり

人差し指1関節分の量(約0.5g)で

これくらいの面積を塗ることが勧められています。もちろん、チューブの口径やチューブを押す力で出す量は変わるのですが、これが目安と言われています。

何か手持ちのハンドクリームでもよいので一度やってみて下さい。結構べたつきます。こんなにべたつくくらい塗っている人は経験上少ないと思います。むしろ薄く塗り広げてと言われている方の方が多い印象です。

たとえばニキビの薬やタクロリムスが含有された軟膏(プロトピック軟膏)などは、塗ると刺激感がでることがあり、薄くから塗り始めてもらいますが、少なくともステロイドや保湿剤のような薬はしっかりした量を塗らないと、しっかり効いてくれないと思います。逆に言うと、同じ薬でもしっかり塗っているかどうかで効果が大きく変わります。

塗り方を変えるだけで、同じ塗り薬でも効果が変わりますよ!保湿剤やステロイドはぜひこのFTUを参考に塗ってみてください。

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